イサゴールの食物繊維で腸を元気に!

腸が不調ならイサゴールで回腸

入浴時にお腹を温めてたまねぎを食べれば腸内フローラが整う

体温を上げて免疫力アップ

末永く健康で元気に生きるために、私たちが最も気を遣うべき相手は腸内細菌です。そのことは、近年の研究によって明らかになりつつあります。

腸内細菌は、病原菌を排除して食物を消化し、ビタミンを合成してくれます。人が病気にならないため、体内では免疫が常に機能していますが、免疫の働きのおよそ6~7割 を腸内細菌が担っています。ですから、腸を整え、そこにす棲む細菌たちを元気にしてあげれば、宿主である人問も元気になれるのです。

 

これから、だんだん温かくなる季節、こうした暑い時期だからこそ、腸内細菌を元気づけて、いわゆる腸内フローラをよくするため、皆さんに心がけてほしいことがあります。

それは、寝る前の入浴です。夏になると、湯ぶねにつからず、シャワーだけで済ませてしまうかたも多いでしょう。しかし、夏でも湯ぶねにつかって体を温め、それから寝ることをお勧めしたいのです。

私たちの体には、エネルギーを産み出す2つのしくみがあります。それが、解糖エンジンと、ミトコンドリアエンジンです。地球上に生命が誕生したとき、私たちの祖先となる生物は、無酸素と低温の環境で、解糖エンジンを働かせて生きている単細胞生物でした。

 

解糖エンジンは、高糖質、低酸素、低体温の環境でよく働きます。これは、また、ガン細胞が好む環境でもあります。一方、ミトコンドリアエンジンは、地球が酸素に覆われ、地表の温度が高くなるなかで築かれたエネルギー系です。ミトコンドリアエンジンが活性化するのは、低糖質、高酸素、高体温の環境で、先の解糖エンジンとは正反対です。

50代以降のかたは、ガン細胞の増殖を許さないためにも、解糖エンジンをなるべく働かせず、ミトコンドリアエンジンを活性化させることが必要です。

この点から、1日1回、温かいお湯につかり、体温を上げることは、ミトコンドリアエンジンを活性化するとともに、ガン細胞の成長を許さないことにつながります。

そして、それはまた、腸の働きを高め、免疫力を高めることにつながるのです。

 

腸は、たえず食物を消化し、病気から体を守るために免疫細胞を育てています。常に、持続的なエネルギーを使って、消化や免疫機能の活性化に努めています。これには、持久力に優れたミトコンドリアエンジンがスムーズに動き続けていることが不可欠です。夏になると、室内には冷房がきくようになりますし、冷たい飲み物、冷たい食べ物をとる機会が多くなります。

 

気温の暑いわりに、体は、逆に冷えてしまっていることが多いのです。そうした環境だからこそ、入浴して体を温めることが大事になります。

副交感神経のスイッチが入れば腸は活性化する

寝る前に入浴することにも、大きな意味があります。私たちの意志とは無関係に、内臓や血管の働きをコントロールしているのが、自律神経です。

自律神経には、主に昼問に優位となり、アクティブな活動を支える交感神経と、夜に優位となり、いわゆる休息の神経である副交感神経の2つがあり、両者はバランスを取り合いながら働いています。

 

実は、腸というものは、夜問に副交感神経が優位のときに、その働きが活性化されます。寝る前に入浴すれば、心身ともにリラックスすることができます。

特にぬるめのふろにゆっくり入ることで、副交感神経のスイッチが入りやすくなるはずです。体が温まり、心身ともにリラックスすれば、夜、眠っている問に、副交感神経が活性化し、腸がよく働くようになるでしょう。半身浴がおすすめです。

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また、よい腸内細菌をふやし、腸内環境を整えるために、食事も重要です。

例えば、夏だからといって、冷たい物ばかり食べるのはお勧めできません。今までお話ししてきたように、体を冷やし、おなかを冷やせば、それだけミトコンドリアエンジンが働きにくい環境になってしまうからです。

この点から、お勧めしたいのが、タマネギなどの根菜類です。東洋医学的な考え方では、食物は、体を冷やす食べ物と体を温める食べ物に分けることができます。

タマネギなどの土の下にできる食べ物は、体を温める陽性の食品とされています。かつ、タマネギなどの根菜類は、食物繊維も豊富です。

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食物繊維は、腸内環境を整えるのに非常に大切な役割を果たしてくれます。ちなみに、食物繊維は、水溶性のものと、不溶性のものの2種類に分けられます。

腸内細菌は、ことに水溶性の食物繊維をより好みます。自らのえさにしやすいからです。

腸内細菌をふやすには、水溶性の食物繊維を含む食品を積極的にとることが効果的です。

この点でも、タマネギなどの根菜類には、水溶性の食物繊維が多く含まれていますから、腸内細菌をふやすのに役立ちます。就寝前に入浴して、根菜類をよく食べて、腸内細菌をふやしてあげてください。

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個性は細菌で決まる!腸内環境を整えれば病気も治り、性格も明るくなる

人は、ひとりひとり顔も違えば、姿形、性格、健康状態、寿命も異なります。今までは、その違い(個性)を生むのは、約60兆個の細胞のもととなる、遺伝子だと考えられてきました。

 

しかし、遺伝子の数は2万2000個ほどで、そのうち99.9%は、だれもが持つ共通の遺伝子だといいます。

だとすれば、約70億人いる人間ひとりひとりの違いを、人体の遺伝子だけで説明するには無理があります。それ以外にも何か影響を与えているものがあるのではないかそのような推測は以前からあったものの、具体的に解明されるには至っていませんでした。

 

ところが最近になって、ある研究の目覚ましい進歩により、その答えが明確になってきました。それは、人体に生息無数の微生物集団(細菌叢) = マイクロバイオームの研究です。

細菌の培養が不可欠だった従来の研究方法から、2003年に、細菌叢からまとめて遺伝子を取り出し、解析する方法が開発されたことで、マイクロバイオームの研究は進歩しました。

その結果、マイクロバイオームが人体に多大な影響を及ぼしていることがわかってきたのです。

人の腸内や口腔内、皮膚など全身に生息している常在菌は、およそ1000兆個。その遺伝子の総数は300万以上に及びます。これだけの数の遺伝子と、人問の細胞の遺伝子の組み合わせパターンの膨大さを考えると、人間ひとり人ひとりの違いにも説明がつきそうです。

 

しかも、個人の細菌叢は、母親の産道を通って生まれたときから、乳幼児期までにふれるさまざまな人、モノから付着した細菌によって形成されます。

ですから、ひとりひとりが持つ細菌の種類は、血縁関係であっても全く同じということはありえません。DNA鑑定でも区別できない一卵性双生児でさえ、パソコンのキーボードなどから採取した細菌叢で、識別可能だといわれています。

つまり、個性とは、私たちの体に住む細菌が作り出すものといっても過言ではないのです。

マイクロバイオームが人体に与える影響についてです。

1 つは消化・吸収への影響です。人は、ある種の植物由来の炭水化物を消化することはできません。ところが、人問の体内では腸内の細菌がそれらを分解してくれていたのです。おかげで、私たちはその代謝物を栄養素として摂取できているというわけです。

 

人体が作ることのできないビタミンB群も、腸内の細菌によって作られることがわかっています。

さらに、日本人の多くは、ノリやワカメなどの糖類を分解する細菌叢を持っています。私たち日本人が海藻類から栄養やエネルギーを得ることができるのも、細菌のカあってこそといえます。

そして、マイクロバイオームは免疫系にも大きな影響を与えています。特に、全身の免疫細胞の約60% が存在する腸には、最も多くの細菌が生息しています。これらの細菌が、人の体を健康な状態にコントロールしているのではないかといわれています。

 

逆にいえば、細菌叢が乱れ、その機能が低下すると、人は健康が維持できなくなります。

 

ガンン患者さんたちを見ていると、確かに便秘など、腸の調子が悪い人が多くいます。そこで、生活習慣の改善とともに、腸内細菌のえさになる微生物(プロパイオテイクス) を摂取してもらうと、便秘が改善するだけでなく、顔つきや性格まで明るくなります。また、頭痛や腰痛などの不定愁訴、さらにはガンそのものまで治る人が数多くいるのです。

 

共生している細菌の種類は人によって違うので、特定の菌を体内に入れてもその人に合うかどうかはわかりません。それよりもえさや刺激となって、その人が持つ腸内細菌自体の活動を高めてあげることが有効なのです。

 

快便のためには食物繊維が大きなポイントになる

ある大学の教授は、「堅く入り柔らかく出る。柔らかく入り堅く出る」という、ことを言っています。

これは、何を言っているのでしょうか?どんな意味でしょうか?

 

これは、つまり、やわらかい食物が多くなったことによって、出るほうはかたく(便秘) なっているというわけです。

まさに、その言葉どおりになっているのが日本をはじめとした先進国の食生活ではないでしょうか?

 

もちろん、やわらかい食物だけが便秘の原因というわけではありませんが、かなり的を得た表現でわかりやすいと思います。

明治時代には、「野菜必ず煮て食べよ、海草や塩魚は不消化であるからいけない。味噌汁、納豆、漬物などは腐りかけたもので食うべからず、豆腐、油揚、蕎麦、天変羅なども避けたほうがよい」といわれていました。

 

つまり、この時代には、食物の選択においてもっとも重要なことは、消化率だと考えられていたわけです。「消化の悪いものは不要」という極端な意見までありました。

 

当時の影響は今でもあります。たとえば、ある栄養学者は「玄米食を食べたときの排せつ量は、副食は同じでも、白米食を食べた場合の2倍も多かったという。この事実は、とりも直さず玄米食の消化吸収の悪さを証明している」と言っています。

このような記事の影響で、「玄米は消化が悪いのではないですか? 」という人がかなりいます。

ここ数年、「ダイエタリーファイバー」あるいは「食物繊維」という言葉をよく耳にします。

「食物繊維」は、第六の栄養素群として注目されています。なぜ、注目されるのか、ひと言でいえば、食物繊維の摂取量とさまざまな病気の関係が明らかになってきたからです。

食物繊維の働きの中で、もっとも注目されているのは、「抱水能(水を吸収してゾル状になる性質の強さ)」です。

 

便は、小腸から大腸へ入る液状の内容物が、結腸で水分が適度にとり除かれ、密度の高い状態になったものです。何らかの理由で水分の吸収がうまくいかない場合が下痢です。

逆に、腸の内容物の中に食物繊維が不足すると、内容物中の水分がとり除かれすぎて、便は小さくかたいものになります。

 

わかりやすくいえば、食物繊維はスポンジのようなものだと考えればよいでしょう。便の中に小さなスポンジがちりばめられていれば、水分は保持されることになります。食物繊維のこの砲水能という性質によって、はじめて腸内容物の容積を保ち、便のやわらかさを保つことができるわけです。

便のやわらかさというのは、水を飲んでもほとんど役に立ちません。食物繊維が十分にないかぎり、飲んだ水は腸から吸収されて、尿中に排泄されるだけです。

そして、便に適度の重量があることによって、直腸の壁が引っ張られ、それが引き金になつて筋肉は収縮を始め、トイレに行きたい、「便意」をもよおすことになります。

 

食物繊維が不足していると、便は小さくなり直腸の筋肉が充分な収縮を起こさないため、便意がおきず、便秘になってしまうわけです。

実際に、宇宙飛行士は特別な目的のために、食物繊維のほとんど含まれない食生活をすることがあるといいますが、5~6日は便通がなくなるといいます。したがって、栄養学者の話は、食物繊維がいかに大切であり、白米からでは十分な食物繊維をとることがむずかしいことをまさに証明しているともいえるわけです。

それを「玄米食の消化吸収の悪さを証明するもの」と結論を出してしまったところに、大きな誤りがあります。もちろん、食物は消化吸収されることが大切であることに変わりはありません。

問題は、消化吸収されにくい食物や食物繊維が無用であるかのように考えられてきたことにあります。その結果、現在の食生活は、あまりにも食物繊維が捨てられている食物だらけになっています。

 

ただし、最近は食物繊維だけが特別に重要であるかのごとく、食物繊維飲料などというものが売られていますが、あまり賛成することはできません。大切なことは、食物繊維を意識してとることではなく、食物繊維が捨てられている食物をなるべく食べないようにすることなのです。

その中でも、未精製の穀類をとることが何よりも大切です。肉や牛乳、乳製品中心の洋風の食生活では、トイレの時間が長くなるため、トイレも足のしびれない、腰掛け式の洋風にしなければならないことは、いうまでもありません。

ご飯&味噌汁で原点回帰などを読むとやっぱり日本人は、玄米とお味噌汁を必要としているように思えてなりません。

せめて朝食ぐらいはこうしたメニューで腸を元気にしてあげる方向で食習慣を見直したいと思います。

 

 

 

快腸は日々の生活習慣(朝、昼、夜、寝る前)

腸を元気にするためのライフスタイルを築いていく上で大切なポイントがもうひとつあります。それは、1日の体のリズムを知ることです。つまり、朝、昼、夜のリズムを知って、それを上手に使って、腸を元気にするのです。順を追って説明しましょう。

 

●朝のリズム

起床したときに、眠い目をこすりながらボーッとする時間は、ウイークデーであればつらいものです。

このボーッとした脳のメインスイッチの働きをしているのが脳幹網様体と呼ばれる部分です。脳の構造は、おおよそ3つの部位で構成されています。話す、計算する、推測するなど知的な反応、つまり人間にしかできないことを担当するのが大脳皮質です。

さらに、記憶や好き嫌い、恐怖などを感じる海馬、扁桃体を含む大脳辺縁系があります。

そして、下位の脳にあたる脳幹や間脳、大脳基底核で、これは人間の根本的で原始的な機能を受け持っているといわれています。かくせい脳幹網様体の部位が刺激を受けると脳全体が覚醒し、活発に活動するようになります。一方、この部位が抑制されると大脳皮質は安静状態となり、眠気が起こつてきます。脳幹網様体を刺激することは、そう難しくありません。たとえば光刺激、音刺激、味覚刺激、皮膚や筋肉からの感覚など全身からの刺激に反応します。この脳幹網様体を直接刺激する方法をいくつか提示します。

 

まず、お茶やコーヒーです。これらに含まれているカフェインが、脳幹網様体を刺激します。ですから、モーニングコーヒーやプレックファーストティーなどは理にかなっているのです。

さらに、明るい光を目に入れると、網膜や視神経を通じて光の刺激が脳幹力網様体に伝えられます。また、噛むとこうきんほおいう動作が校筋(頬の奥にある筋肉の一種)を使うと、この刺激も脳幹網様体を活発にします。したがって、朝食はパンでもご飯でも固形物を口にしてしっかりと噛むことが目覚めに効果的です。胃に物を入れることで、胃結腸反射(大輪動) を起こし、さらには直腸反射を促して排便につながり、朝からおなかがスッキリして気分も爽快になります。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」という2種類の神経があります。

これらの神経が交互に活動することにより、体のリズムをつくり出しています。目覚めてすぐの朝の時間帯は、まだ副交感神経優位の状態です。心拍数が低く、血圧や体温なども低下傾向です。昼になってくると、今度は交感神経が活発になります。その作用で体温や血圧が上昇したり、心臓の拍動が早くなります。

血液の流れが盛んになって体中をめぐり、活動的になります。そして夜になると、再び副交感神経が活発になります。体温や血圧が下がり、心拍数も低下して体がリラックスモードに入ります。

これが体内リズムです。人間の体はいわゆる「体内時計」によってコントロールされているわけです。では、朝の腸の状態はどうなっているでしょうか。

大腸シンチグラフム( アイソトープを用いて腸の運動を調べる検査) によって、食事後に腸管の運動が出現してくることが確認・指摘されました。通常は食事後に大購動が起き、一方で食事刺激が起こる前にも大嬬動が起きる(特に朝が一番強い) 人がいるという内容でした。

朝の目覚めのときは、まだ交感神経が活動せず、副交感神経が優位の状態です。そうであれば、胃腸の運動は起こりやすいはずです。食事をすると、胃・結腸反射が起こり大嬬動が発生するのは、副交感神経が働きやすく、さらに腸神経叢も働きやすくなっているためと考えられます。

それゆえ、朝の大嬬動が一番強いのです。ところが、本来なら副交感神経が優位であるはずの朝、よく眠れないまま目覚めると自律神経のバランスが崩れます。また、食事を抜くと胃・結腸反射が起こりません。そのため腸神経叢も活動せず、大嬬動が起こらないという結果になります。こうなると停滞腸を招き、おなかが張ったり、排便がうまくいかないなどの症状が出現します。

 

●昼のリズム

理解力、記憶力、思考力、判断力、想像力など私たちの脳の持っている力は、適度に休息を取らないと低下してしまいます。人間の思考力は、大脳の前頭連合でなされ、午前10時〜‖時を中心とした午前中の時間帯が最も活発なのだそうです。ですから、一番大切なことはこの時間帯にしておくべきといえます。

 

昼食時、一時的に頭をクールダウンさせることは、午後の仕事にとっても大切なことです。脳をクールダウンさせないと、交感神経緊張が続き、その結果胃腸の運動は低下し、食欲が減退し、血圧や心拍数などが上がりつ放しになるので、体にも良くありません。

 

なお、腸の活動の向上には、腸を動かす物質であるオレイン酸を多く含むオリーブオイルたっぷりのパスタなどが効果的です。食べ物の消化力は正午ごろに最高に達し、食べた固形物が胃に残る割合は、午前中よりも午後のほうが高いというデータもあります。昼に食べたものは、すみやかに胃から十二指腸に移動していくので消化が良いのです。イタリアなどで昼食時に、1日の中で最もボリュームのある食事を摂るのは、理にかなっているのです。

 

●夜のリズム

昼よりずっと活発になっていた交感神経は、夜になるにしたがって徐々に働きが低下し、逆に副交感神経の働きが高まってきます。交感神経は、ある意味で活動してがんばるための神経です。

一方、副交感神経は、休むための( つまりリラックス・モードに入るための)神経といえます。脳をクールダウンさせるには、前述の脳幹網様体への刺激を遮断するか光の刺激を低めるために間接照明にしたり、キャンドルの下で食事を摂るのもよいかもしれません。

 

胃腸に関しては、夜に胃液の分泌が活発になります。胃の活動は夕方5時ごろから深夜3時にかけて活発になり、夜の8時ごろにピークを迎えるといわれています。

 

胃酸分泌を抑制する抗潰瘍薬を夜寝る前に服用するゆえんです。また、夕食後に胃・結腸反射が起こるので、腸の大嬬動が発生すると考えられますが、その力は朝食時ほどではありません。

となると、昼食をある程度多くして夕食は軽めに、というのが腸に負担をかけず、スムースな排便を考えた場合よさそうです。

ところが、実際にはなかなかうまくいかず、つい夕食を多く食べてしまうケースが多いのではないかと思われます。一般的にはほとんどの人が夕方になるとおなかの張り具合が強くなると言います。こうした話からすると、やはり昼よりも夕方のほうが腸の動きが鈍いといえそうです。

●寝る前のリズム

夜の腸管の運動には、眠っている間に分泌されやすい「モチリン」というホルモンの分泌が関与していることがわかってきました。

このモチリンは、夜間などの空腹時に周期的に分泌され、強い空腹期強収縮運動を消化管で引き起こすとされています。

同時に、消化酵素や消化管ホルモンの分泌も刺激し、消化管内をきれいに掃除して次の食事への準備をするといわれています。モチリンは、胃の中が空になると十二指腸から分泌されます。したがって、寝る前3時間以内に食事をすると胃内容物が残ったままになり、モチリンの分泌が悪くなってしまう可能性があります。

こうしたことから、夕食は就寝3時間以上前に摂るべきといえます。そうしないと、夜間の腸管運動が低下し、翌日の朝に消化管内容物がおなかに残って空腹感を感じないといった症状を招きやすいのです。朝、しっかり食べて腸の嬬動運動を促す意味でも、寝る前の食事はおすすめできません。

そして最後にはやっぱり快便への近道は、十分な睡眠と食物繊維の摂取になると思います。

食物繊維も種類がたくさんありますが、果物が効果を発揮する人もいれば、さつまいもが効くという人もいます。調理をする時間がない人はトクホのイサゴールがおすすめです。

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がおすすめです。

主成分の「サイリウムハスク」は保水性と膨張性が高い食物繊維で、お腹の調子を整える作用が強力です。

消化が良い食べ物、悪い食べ物

「腸プラス・腸マイナス」の法則は、脳のストレスに応じた腸の状態に関連した食べ物の基準でしたが、次に一般的な食材をあげて、それが消化に良いか、悪いかをみていくことにしましょう。

 

「お腹をこわした時は、煮込みうどんが消化に良く、胃腸に負担が少ない」というのはよくいわれることです。

煮込みうどんだと胃腸の調子が悪く、食欲のないときでも食べられたという人もいらっしゃるでしょう。

 

では一体どのような食べ物なら胃腸の調子が悪いときに良いのでしょうか。たとえば、消化に良いものとしては、味噌汁の上澄み、卵、やまいも(とろろいも)など、消化に悪いものとしては、クリームスープ、すじこ、漬物、海藻、干物などがあげられます。

以上の食べ物に関しては、ほぼ妥当だと考えられます。

 

腸の運動が低下している人向けの腸内リセット法

すっかり調子がおかしくなってしまった腸を、リセットしもとのまっさらな状態に戻したい。

そんな方たちの要望に応えるべく対処法が「腸内リセット法」です。腸内リセット法というのは腸の専門家が推奨するものは、さまざまな方法があります。

ここで紹介するのは、食養腸の素材を組み合わせた腸内リセット法です。これは、軽い便秘の人向けの方法です。重症の場合ではなく軽いケースの場合です。

●1日目

たまっていた便を出し切る

腸内リセットの1日目は、たまっていた便を出しきるところからスタートします。ここで使うのはアントラキノン系の下剤ではなく、体に負担の少ない硫酸マグネシウムなどの下剤です。

なお、リセット1 日目は食事は摂らず、水分としてはファスティングジュースだけを摂ります。そのため、リセットを始める日は週末か休日をお勧めします。

●2日目

ビフィズス菌製剤を飲む

便を出しきったら、すぐにビフィズス菌製剤を多めに服用します。ビフィズス菌は腸内に生息する善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを改善するといわれています。腸内細菌は食べ物などの影響を受けやすいので、下剤によって腸の中をきれいにしたところへ素早く入れる必要があります。

●3日目

善玉菌ジュースを飲む

ビフィズス菌製剤を飲んで約5時間後に、ファスティングジュースを飲みます。このジュースは、ビフィズス菌のエサ(栄養分)となります。腸内の善玉菌を活性化させるためには、とても重要なものです。ジュースは、バナナやリンゴなどペクチン(酸性多糖類) を含む果物でつくります。

ペクチンは、分解されるとドロドロになり、腸内の善玉菌を活性化させる働きがあります。なお、このジュースは2 日目以降も毎日飲むようにします。

ジュースの材料になるバナナ、豆乳、はちみつなどには、オリゴ糖が含まれています。また、ヨーグルトにはビフィズス菌が含まれています。したがって、これだけで腸内細菌を活性化させるスペシャルドリンクの出来上がりです。

なお、つくるのが難しい人は市販の野菜ジュースを利用してもかまいません。このファスティングジュースを飲むと、ちゃんとした食事を摂らなくても最低限の栄養分も確保できます。しかも、消化に負担がかからないので、腸を休ませることもできます。

腸に休息を与えることで消化や吸収、運搬、代謝、排泄を担う腸管の粘膜細胞がよみがえり、これによって腸の機能が高まるというわけです。

●2日目~7日目

2 日目からは、きれいになった腸を健康な状態に変えていくための食事療法を開始します。ここで「食養腸」のための食材を摂取していきます。

腸を元気にするためには、脳の働きがバランスよく保たれていることも必要です。腸のバランス、脳のバランスというと抽象的な言葉に聞こえますが、腸の機能が滞りなく働くために必要な要素の1つと考えればよいでしょう。

腸のバランスそのものを考える法則として、「腸プラス・腸マイナスの法則」が重要です。

 

腸に関連するみ脳の働きについては、3万人の腸を診てきた経験から深いつながりを感じています。その中で、腸と同じように脳についても、腸の動きとリンクした「脳プラス・脳マイナスの法則」があると考えています。たとえば、強い緊張状態が続くと交感神経が優位になります。すると、腸の運動が低下して便秘をしやすくなります。これは「脳マイナス」といえるでしょう。

一方、仕事などから解放されると、脳がリラックスして副交感神経が活発になります。すると、食欲もわいて排便も促進されます。こちらは「脳プラス」といえるでしょう。

このように、脳のバランスがプラスに傾くかマイナスに傾くかによって、腸のバランスは変化します。そして、ストレスの多い交感神経緊張型の脳がストレスの多い腸を、リラックスした副交感神経優位型の脳がリラックスした動きの良い腸を、それぞれ生み出すわけです。腸のコンディションを良くしたいのなら、脳をリラックスさせるのが不可欠であることがわかっていただけると思います。

 

漢方の世界では「陰陽」という考え方で全身をとらえ、食事に関しても食品を「陰」と「陽」 に分けています。その基本は、陰性体質(冷えやすい体質) の人は身体を温める作用の強い陽性食品を摂取して身体を中庸(かたよらない状態) に持っていくこと、逆に陽性体質(熱のこもりやすい体質) の人は陰性食品を摂取して身体にたまった熟を冷まして中庸に持っていくことが、それぞれ病気改善・健康維持に必要であるというものです。

体を温める食品を意識的に食べる | 腸をきれいにして便秘解消

 

しかし、現代社会はストレスにあふれ、人間の体質以外にもストレスの作用が身体の状態を左右していると考えられます。そこで腸を中心に考えた場合、そのときの腸のストレス状態に応じて腸に有効な食品を「腸プラス」の食材、腸に無効あるいは害を持つ食品を「腸マイナス」の食材と分類しました。

この腸プラス・腸マイナスのポイントは、腸の動きの状態によって同じ食材でも腸プラス・腸マイナスが逆になることです。

その代表が玄米です。腸の動きは、心理的なストレスなど脳に関連するさまざまな原因で抑制されることがあります。働きが低下している腸を、私は「ストレス腸」と呼んでいます。

反対に、嬬動運動が活発な腸が「リラックス腸」です。玄米は、ストレス腸のときに積極的に摂取すると便が硬くなったり、腹部膨満感の症状が強くなったりと、排便状況をさらに悪化させてしまうことがあります。

ある程度改善された状態でなければ、玄米の摂取はむしろ逆効果になります。一方、リラックス腸の人が玄米を摂ると、おなかの調子をさらに良くすることが可能です。

この場合は、腸プラスの食品として玄米を摂ることができます。つまり、ストレス腸の状態では、玄米は腸マイナスの食品になるけれども、リラックス腸のときは腸プラスの食材になるというわけです。よく身体によいといわれる玄米ですが、

腸を中心に考えると、ある程度リラックス腸に移行してから摂ってこそ、その効果が発揮される食品なのです。

 

 

腸の運動を活発にさせる食材「オリゴ糖」

オリゴ糖は、単糖が2~20個結合したものです。消化酵素で分解されることなく大腸まで達し、腸内細菌、とりわけ善玉菌であるビフィズス菌のエサ(栄養分)となります。

便秘体質で悩む人の中にはオリゴ糖を摂ると快便になる人もたくさんいらっしゃいます。

 

ビフィズス菌を増殖させる作用があるため、腸内環境を整えるには非常に有効です。便秘の人は、1日に3~5 g程度摂取するとよいでしょう。果物や豆乳などオリゴ糖を含んでいる食品から摂れるほか、甘味料製品として市販されているものを利用すると手軽に摂取できます。

現在、市販されているオリゴ糖には、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などがあります。フラクトオリゴ糖は、ショトウに1~3個の果糖が結合したものです。

消化酵素で分解されにくく、ビフィズス菌の増殖を促し、虫歯になりにくい甘味料です。

イソマルトオリゴ糖は、はちみつやみそ、しょうゆなどに含まれるオリゴ糖です。ビフィズス菌の増殖を促し、虫歯になりにくい性質を持っています。

また、熱や酸にも強く、料理に利用するとうまみやコクが出ます。ダイズオリゴ糖は、ダイズに含まれるオリゴ糖の総称です。ダイズタンパク質を利用した後の残りカスからつくられます。そのエネルギーは庶糖の半分という低カロリーで、さらに熱や酸にも強い性質を持っています。

ガラクトオリゴ糖は、乳糖をアルカリで処理してつくられたものです。ビフィズス菌の増殖を促し、タンパク質の消化吸収を助ける働きがあります。

オリゴ糖は、腸内の有益な菌を増やし、腸内環境を改善する「プレバイオティクス」の作用を持つ食材の1つです。

腸にはおすすめの糖質「オリゴ糖」 | 腸をごきげんに

で紹介されていまうが、りんごのペクチンに含まれるオリコ糖は、加熱すると増えて、抗酸化作用などが高まるといわれています。手軽に作れる焼きりんご、リンゴパイなどがおすすめです。

ペクチンも便秘には欠かせない成分です。